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子供と大人の矯正治療の比較

メリット・デメリット

子供の矯正と大人の矯正は、どんな違いがあるのでしょうか。
まず、それぞれのメリットとデメリットを簡単にご紹介します。

  成長期の学童(子供) 成人期以降
メリット
  • 顎の成長期に治療を行うことで、適切な顎の発育・機能を獲得する可能性が高まる。
  • 非抜歯で治療できる可能性が高まる。
  • 患者さんの主訴が比較的明確なため、治療に対する協力が得られやすい。
デメリット
  • 第1期からの治療の開始となると第2期の治療を含め治療期間の長期化がある。加えて受験等もあることから治療の一時中断となることもある。
  • 顎の成長は見込めないため、歯の移動による治療となる。そのため抜歯が必要になることが少なくない。また、口腔内の虫歯、補綴物(かぶせ物)、欠損歯、歯周病等の存在により、正中線のズレや左右の咬合機能に差を生じての終了となることが少なくない。転勤、転居等のため転医を余儀なくされることも少なくない。

反対咬合を例にした比較

代表的な反対咬合の治療を例にして、成長期の子供と、成長期を終えた成人期の治療の比較をご説明します。

※詳細は患者さんによって異なりますので、個別の治療内容についてはクリニックにてご相談ください。

  成長期の学童(子供) 成人期以降
歯の移動速度 移動しやすい 成長期に比べ遅い
歯の移動範囲 成人期に比べ広い 成長期に比べ狭い
ワイヤーにて行う
平均的な治療期間
の目安
ワイヤーによる上下の歯の移動
(第2期治療のワイヤー治療)

…… 2年〜3年
(第1期処置を加わえると5〜6年程度)
ワイヤーによる上下の歯の移動
…… 2年〜3年
矯正以外の追加処置(虫歯、歯周病、やかぶせ物)や既に抜歯されている歯などもがある場合は、プラス数か月程度
症状・治療の特徴 早期治療開始により、上下顎骨の成長発育を適切にコントロールできる可能性は高い。
その結果、抜歯の可能性を低めたり、成人期における顎変形症(矯正+顎の手術が必要な症例)への移行なども低められる可能性がある。
また、第2期での治療内容の軽減も考えられる。
上下顎骨の成長はほぼ終了し、いわゆる成人の顔・体格となる。成長発育による症状の悪化は成長ホルモンの過分泌など特殊疾患の場合を除き考えにくい。
ただし成人期の場合、永久歯の本数が少なかったり、人工的な歯へのかぶせ物、神経を除去された歯などが多く見られ、そのため、変則的な抜歯処置や咬合関係となることが少なくなく、治療難易度が高まる場合がある。
顎変形症では、顎の手術を併用した治療を行う場合もある。
口腔内の健康状態
(歯肉・歯面汚れ
 歯石など)
歯科衛生士などによる口腔ケアで歯や歯肉の健康度の回復は一般的に早い。 個人が自己流の口腔ケアを長期に渡り行っていることが少なくなく、適切でない対応もある。歯石や歯の汚れも多く見られる。