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矯正治療の開始時期について

子供から大人まで、矯正治療はいつから?

歯並びが気になる時期はさまざま

当院では、歯が生え始めた幼児や永久歯が混在する学童期のお子さんを持つ保護者の方から「矯正治療はいつから始めたら良いでしょうか?」というご質問をよく受けます。
また、最近では50代以上の方から「治療を開始するには遅いでしょうか?」などのご質問を受けることが増えました。

「見た目が気になる」「食事がしにくい」「なんとなく顎が変」「かかりつけの歯科医や学校歯科検診で指摘された」などの理由の他にも、就職や結婚、音楽やスポーツ、芸能活動など、子供から大人までさまざまなきっかけで矯正治療を考え始めると思います。

一般的には、顎骨の成長発育能力を治療に活かすことができる学童期から治療を考えることが望ましく、その意味でも学校歯科検診の結果は重要です。
しかし、その時期を逃したからといって遅すぎることはありません。子供から大人まで、その時期に合わせた適切な治療方法を提示いたします。

流れ

気になった時に、まずは受診してください

すぐに治療を始めるか否かは別として、まず気になった時点で矯正専門の歯科医院に相談することをお勧めします。
診察の上、適切と思われる治療開始時期が提示されると思います(ただし、担当医により多少の意見の相違はあります)。

当院では、多くの臨床経験を持つ院長が無料カウンセリングでご相談に応じます。ネットの情報やご自分の判断で決めずに、まずは矯正医にご相談ください。

治療開始時期について当院の考え

1.幼児期 : 乳歯だけの時期

乳歯だけの時期は、当院ではほとんどの場合、治療は開始せずに定期的な観察が主となります。口蓋裂などの特殊な症状を伴う患者さんの場合は治療開始することもありますが、定期的な観察となることも少なくありません。
矯正医との長いお付き合いの始まりです。

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2.小学生の時期 : 乳歯と永久歯の混在時期 (第1期治療)

乳歯と永久歯が混じり合っている時期を「混合歯列期」といい、この時期に行う矯正治療を一般的に「第1期治療(前期治療)」と呼びます。
多くは小学生で、この時期は本人や親御さんが気づかなくても、学校歯科医により不正咬合を指摘されることがあります。

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この時期の矯正治療については、ぜひ矯正医の診察を受けて、治療開始時期についてアドバイスを得てください。
早期開始を勧める先生と、もう少し様子をみてからとする先生に分かれることもあります。どちらが適切な対応かの判断は、その症状や先生の臨床に対する考え方の相違などにもよります。
当院では次のようなケースで第1期治療をお勧めしています。

【 第1期治療をお勧めする症状 】

  • 上下の顎の成長発育に不調和が診られる場合。
    骨格性の上顎前突、下顎前突、開咬、顎の変形など、成長期に放置することにより症状が過度に悪化することが心配されるような場合。
  • 第1期治療を行うことで、永久歯列期での治療(第2期治療以降)の内容を軽減できる場合。
  • 第1期治療を行うことで、永久歯を抜歯する可能性が低下するような場合。

3.中学生・高校生の時期 : 永久歯列前期 (第2期治療)

乳歯が脱落し、永久歯が生え揃った後に行う矯正治療を「第2期治療(後期治療)」と呼びます(一般的に第1期から治療を開始した患者さんに対しての呼び方です)。

多くは上下顎骨の成長期の中学生・高校生で、積極的に個々の歯の位置異常を改善していきます。
この時期は上下顎骨の成長力がまだ認められるため、治療は顎の成長変化を含めた計画が立てられます。

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4.大人・成人期 : 永久歯列後期以降

顎顔面部の成長発育をほぼ終了した時期以降の治療を、一般的に成人期の治療=成人矯正といいます。
この時期の治療の特徴は、顎の成長発育を治療に組み入れることはほとんどなく、主に歯の移動での治療計画となることです。

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成人期特有の「歯が抜けてしまった所がある」「人工的な被せ物などが複数ある」「神経を除去された歯がある」「過度の歯肉炎がみられる」など、治療計画上考えなければならない複数のマイナス因子の存在を認めることも少なくありません。従って、時に変則的な治療計画となることもあります。

場合によっては、かなりの悪条件下での治療となることもあるため、他の分野の医師(内科、形成外科、耳鼻科、心療内科、精神科など)と歯科医師(歯周病、補綴(ほてつ:かぶせ物の分野))とのチーム医療の必要性が高まることにもなります。そのため、患者さんへの説明・確認・質疑応答など十分な時間を取り、可能な限り治療に対する不安の軽減、悩みの共有を図ることが重要となります。

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その他のケースにおける治療開始時期

1.先天的な障害を伴う咬み合せ機能・発音機能など:口唇口蓋裂

口唇口蓋裂など、先天的な障害を伴う場合は、形成外科・耳鼻科・小児科・口腔外科・言語治療室などと共同して、顎顔面や口腔咀嚼機能を治療する必要があります。生後数か月から顔面部の成長発育が終了する成人期までの長期治療となることも少なくありません。このような特殊疾患では、かなり早期から矯正歯科医が治療に携わることになります。

現在では、大学病院等の公的医療機関が診療チーム(形成外科・口腔外科・小児科・耳鼻咽喉科・小児歯科・一般歯科・矯正歯科・言語治療・ソーシャルワーカー等)を組んでいることが多く、公的医療機関での治療をされる方が少なくありません。しかし、学年が上がると通院しにくい状況も出てくるため、診療チームに属した実績と経験のある開業医のところへ転医される患者さんも見られます。このような特に難しい治療は経験豊富な矯正歯科医での治療が得策となるでしょう。

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2.部分的な矯正治療の場合

部分的な矯正(限局矯正)であっても目指すところは本格的な矯正治療と同様です。
不正な位置にある数本の歯、あるいは上下歯列のどちらかを治療すれば、おおよそ治療目標を達成することがあります。このような場合には、限局的な矯正治療も選択肢となります。

小学生などの学童から高齢者まで、幅広い年齢層が対象となりますので、いつでもご相談ください。